幕が上がると、赤い石(レッド・ストーン)が舞台中央で不気味に光り、ミステリアスな世界へ引き込まれました。作・演出・振付の謝珠栄さんらしい、歴史と運命を織り交ぜた重厚な構成が印象的でした。
特にアレックス(水美舞斗さん)が赤い石に呼応して“過去”と向き合う瞬間、照明が石を中心に揺らぎ、彼の表情が劇的に切り替わった場面に深く心をわしづかみにされました。刹那的な光と影が交錯し、舞台装置とダンスが一体となって情景を描くその美しさは、まさに「悠遠なる叫び」そのものでした。
さらに、ジーノ(鷹翔千空さん)との緊張感ある対峙シーンでは、二人の刃がぶつかり合う剣戟の迫力に目が釘付けになりました。鷹翔さんのニヤリとした表情には思わず引き込まれ、「俺が恋しくなった?」というセリフには思わずクスッと笑ってしまいました。
また宙組生たちによる群舞やマイティ(水美舞斗さん)のダンスのキレの良さは、歴史とロマンを彩る大きな要素として効いていて、観劇中ずっと背筋が伸びるような気持ちでした。
終幕近く、全体が赤い光に包まれる演出の中でカーテンコールが始まり、私は思わず涙がこぼれるほど昂揚しました。深いメッセージと美しさ、緊張と解放が交錯した、“演劇の醍醐味”を全身で味わえる一夜だったと感じました。

