『アルカンシェル』を観た帰り道、涙が止まらず、電車の窓に映る自分の顔がぼんやり濡れていることに気づきました。それくらい、心の奥をぐっと掴まれる舞台でした。
物語の中で描かれるのは、ただの恋や冒険ではありません。人が誰かを想い、何かを信じて進もうとする姿。それが虹(アルカンシェル)というモチーフを通して、目に見えない想いや願いとして丁寧に描かれていたんです。
主演の演技は本当に素晴らしく、笑顔の奥にある影、華やかな佇まいの中の脆さ、それらが一瞬一瞬に現れては消えて、観ているこちらの感情まで揺らしてきました。相手役との間に流れる空気は、台詞よりも確かなもので、舞台全体が静かに、でも確実に熱を帯びていました。
演出も幻想的で、照明の色づかいや舞台転換がとにかく美しい。クライマックスの虹がかかるシーンでは、あまりの美しさに息を呑み、涙が溢れて止まりませんでした。あの場面は、観た人の心にきっと一生残ると思います。
心がしんと静かになって、でも温かくて、前向きな気持ちになれる。そんな舞台でした。まさに“希望”を舞台で体現したような作品。観劇後、少しだけ優しくなれるような気がした自分がいました。

