宙組による豪華二本立て公演、『宝塚110年の恋のうた』と『Razzle Dazzle』を東京宝塚劇場で観劇しました。まず前半の“日本物レビュー”『110年の恋のうた』は、琴の調べと宙組コーラスによる幕開けが幻想的で、重厚な大階段に和装の群舞が一斉に展開される瞬間、まるで絵巻物が目の前に広がったかのような圧倒感がありました。中でも戦時中の場面では軍服に身を包んだ宙組生が戦闘機の上で静かに歌うシーンがあり、華やかさの合間に胸を打つ緊張感が流れ、深く心に残りました。
一方、後半の『Razzle Dazzle(ラズル ダズル)』は、1950年代のナイトクラブを舞台にしたジャズスラップスティック。指揮者の掛け声とともに鮮やかに幕が開き、キキちゃん演じるレイモンドが銀橋に登場した瞬間、客席から拍手と歓声が沸き起こるほどの熱気。映画撮影セットのような舞台美術と、テンポ良く繰り出されるコミカルな展開に心がはじけました。
特にお掃除階段のアドリブシーンは観るたびに違って、観客をくすっと笑わせる粋な演出が光っていました。
二つの作品が持つ対比―“静の和”と“動の洋”―が鮮やかで、歴史を称えるレビューとジャズの自由さが融合した充実感のある構成でした。どちらも宙組生の歌・踊り・表現力に溢れ、東京公演ならではのスケールを存分に感じられる舞台。宝塚ファンも初心者も楽しめる、記憶に深く刻まれる時間でした。

